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TypeScript 5.5の新機能と実践的な使い方

TypeScript 5.5で追加された便利な機能を実例と共に解説。型安全性を保ちながら、開発効率を向上させる方法を学びます。

TypeScript
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TypeScript 5.5の新機能

TypeScript 5.5は、開発者の生産性を大幅に向上させる新機能を多数導入しました。本記事では、実務で役立つ機能を中心に詳しく解説します。

Inferred Type Predicatesの革新

Type Predicatesは、型の絞り込みを行う強力な機能です。TypeScript 5.5では、Type Predicatesが自動的に推論されるようになりました。

従来は、filter関数などで型の絞り込みを行う際、明示的にType Predicateを記述する必要がありました。しかし、新しいバージョンでは、多くの場合で自動推論が機能します。

これにより、コードの記述量が減り、メンテナンスも容易になります。特に、配列操作やOptional Chainingと組み合わせると効果的です。

Control Flow Narrowingの改善

Control Flow Narrowingは、条件分岐内での型の絞り込みを行う機能です。TypeScript 5.5では、より複雑なパターンでも型の絞り込みが機能するようになりました。

例えば、オブジェクトのプロパティを使用した条件分岐や、配列のメソッドチェーンでの型の絞り込みが改善されました。

これにより、型アサーションを使用する機会が減り、コードの安全性が向上します。

Regular Expression Syntax Checking

正規表現のシンタックスチェックが導入されました。これまで、正規表現の誤りは実行時にしか検出できませんでした。

TypeScript 5.5では、正規表現リテラルのシンタックスエラーがコンパイル時に検出されます。これにより、バグを早期に発見できます。

特に、複雑な正規表現を使用する場合に有用です。エスケープの誤りや、括弧の不一致などが簡単に見つかります。

Performance Improvements

TypeScript 5.5では、コンパイラのパフォーマンスが大幅に向上しました。特に、大規模なプロジェクトでの型チェック速度が改善されています。

モノレポ環境での型チェックが高速化され、開発体験が向上しました。incremental buildの効率も改善されています。

また、Language Serverのレスポンス時間も短縮され、IDEでの開発がより快適になりました。

JSDoc @importの導入

JSDoc内でTypeScriptの型をインポートできるようになりました。これにより、JavaScriptファイルでも型安全性が向上します。

従来は、JSDocで複雑な型を表現するのが困難でした。新しい@import構文を使用すると、TypeScriptファイルから型定義をインポートできます。

これは、徐々にTypeScriptへ移行しているプロジェクトで特に有用です。

Const Type Parametersの拡張

Const Type Parametersは、ジェネリック型の推論を改善する機能です。TypeScript 5.5では、より多くのシナリオで機能するようになりました。

配列やオブジェクトリテラルの型が、より正確に推論されます。これにより、型アサーションを使用する必要が減ります。

特に、設定オブジェクトやルーティング定義などで威力を発揮します。

ECMAScript Decoratorsのサポート

Stage 3のECMAScript Decoratorsがサポートされました。これにより、標準化されたDecorator構文を使用できます。

従来のExperimental Decoratorsとは異なり、新しいDecoratorsはより強力で柔軟です。クラス、メソッド、アクセサー、フィールドに適用できます。

フレームワーク開発やメタプログラミングで有用な機能です。

Import Attributesのサポート

Import Attributesは、インポート時に追加の情報を指定する機能です。JSONやCSSのインポートで使用できます。

これにより、型安全なJSON importが可能になります。JSONファイルの内容が型として推論されます。

Web Componentsの開発や、設定ファイルの読み込みで便利です。

Enum Enhancementsの追加

Enumの使い勝手が向上しました。新しい機能により、Enumがより柔軟に使用できます。

Computed Enum Membersの制限が緩和され、より多くのパターンで使用できるようになりました。

また、String Enumのパフォーマンスも改善されています。

Utility Typesの拡張

標準ライブラリに新しいUtility Typesが追加されました。これらを使用すると、複雑な型操作が簡単になります。

NoInferユーティリティ型は、型推論を制御する新しいツールです。ジェネリック型の推論を抑制し、明示的な型指定を要求できます。

これにより、APIの設計がより柔軟になります。

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